2006/03/29作成
2006/09/24更新
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相場を張るににあたって、最も悪いことは損切りをせず塩漬けにしてしまう事です。そりゃ、利益が乗るまで延々と待っていれば、勝率は100%になるかもしれません。でも、利益が乗るのはずっと先かもしれません。何年、何十年と塩漬けにして、やっとトントンで名目価格では損をしなかったとしてもインフレで実質損をしているかもしれません。 まあ、いろいろ考え方があると思いますが、ここでは損切りが必要だというを前提として話を進めます。 よく聞く言葉に、「利食いは遅く、損切りは速く」というものがあります。これは、利食い(利幅)を損切りの幅より大きくしなさいということであろうと考えます。しかし、実は損切りというものは難しいのです。 株式取引においても、ある程度の証券会社がやっと逆指値注文が出せるようになりました(笑1)。
という。確かにそうだ、損失はそこまでに限定されるので大損失は避けられる。しかし、小さな損失を多く繰り返してもやがて資金は無くなっていくのです。 みなさんは、こんな経験をしたことはありませんか。
このように下がり始めたら売ろうと売り逆指値注文を入れておいたら、価格が下がってタッチ・アンド・ゴーとばかりに価格は高く昇り、結局安値で売らされて損をした。とか、上がって来たら買おうとした買い逆指値注文にジャンピングタッチとばかりに一瞬だけ価格が上がって、結局高値で買わされて損をしたとかいう経験はありませんか。 これは、逆指値の位置が近すぎるから起きる現象。でも遠くてもいけない。逆指値を仕掛けるのも実は難しいのです。 ここでは、損切りを逆指値注文を使って行うことを検討します。 まず、仕掛けた価格があります。もし買い玉なら値上がりすれば利益となり、値下がりすれば損失です。仕掛けた価格が小さく動く確率は多いけれど、大きく動く確率は少ないのです。そして、上がる確率と下がる確率が同じであれば、仕掛けた後の価格の動きを正規分布として考えることができます。正規分布の正確な意味は確率統計の本に譲ることとして、大まかにいうと下の図のようなもの。
と言うことだけ理解してください。 もし、利食いの指値と損切りの逆指値を同じ値幅で入れた場合、多く繰り返せば、損得同じになって利益は残りません(厳密にいれば手数料分損をします)。 しかし、上の正規分布の図を見ながらよく考えてください。仕掛けたところ(真ん中)から離して設定すればその確率は低くなります。でも、損失や利益は大きくなります。小さくなることと大きくなることが組み合わされるので、結構複雑になるのです。 では、確率と利益をあわせて考えた期待値を計算してみましょう。
横軸は、利幅を標準偏差で割ったもの。縦軸は期待値。プラスになれば利益になり、マイナスになれば損をしていくことを意味します。それぞれの線は、利幅/損切り幅の比を一定にして、利幅を変化させた場合の期待値の変化を書いたものです。 太めの線の 利/損 が1より小さい、すなわち 損切り幅(逆指値までの値幅)が利幅(指値までの値幅)より大きい場合の方が利益が沢山得れることがわかります。 解りましたか? これで、大きな利益を狙って、指値までの幅を大きめに取り、「利食いは遅く、損切りは早く」と逆指値の幅を狭くすると、利食いの指値に掛かる前に逆指値に掛かって損をすることが理屈の上でも理解できます。 逆指値の幅を狭くして利益を出すには、デイトレードのスキャルピングのように、細かい利益を狙うときに有効(*2)です。でも、ある程度大きな利益を狙うときには、逆に損切り幅を広く設定する必要があるのです。 最も効率が良いのは、自分が仕掛ける銘柄の価格変動の標準偏差と同じくらいの利幅を狙い、逆指値はその3〜4倍の幅にすることになります。ここで思うことは古くからの格言の「損小利大」を指値と逆指値を設定するだけでは損失が拡大することに注意が必要(*3)です。 (笑1)まあ、証券会社が、逆指値注文やIFD注文が出せることを「自動売買」と大々的に宣伝しているのが凄まじいですね。FXや商品先物では当然のような気がしますが・・・。 (*2)と言っても、この場合は利幅が少ないだけに手数料分を考慮に入れなければなりません。多くの現実的場合は、利益が残らず、損失が拡大します。 (*3)損小利大を狙うためには、指値が約定する前の利益が乗ったときに、指値と逆指値を力が拡大する方向に移動するトレーリングストップが必要です。これは、相場を頻繁に確認する必要がありますし、面倒です。でも「利大」を目指すには当然の苦労。楽して大儲けはあり得ません。
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